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骨折リハビリ日誌 《其の五》 入院 [骨折リハビリ日誌]

7月3日、入院。
前夜に入院の際、必需品といわれたものを用意して荷物をまとめておいた。
入院は初めてでないので、どんなものか想像できるから、
入院自体には不安はない。が、今回のような手術は初めて。
だから不安がないとは言えない。

でも不安と口にしないようにしていた。
なぜなら自分が好きなことをやって、起こしたミスによる怪我だ。
『不安だ。傷が痛い。』と言うと、
『我慢しなさい。』『じゃぁ、怪我するようなこと辞めてしまえ!』と言う人がいる。
そう思うと言われると憂鬱になるから不安なんて言葉は口にしたくない。
だから、不安な要素がなくなるように面白そうなこと楽しそうなことを探すのだ。

午後、病院の内外をうろついてみる。
近くには緑溢れる山が広がってる。
 …山の中でのんびりできなくなったぁ…と今更に怪我を後悔。
ヒマを持て余す私のところに見舞いにと友人がアイスクリーム持って駆けつけてくれた。
ありがたいものである。
おかげで憂鬱な気分も和らいでくる。

陽射しが傾き始めた頃、
まず、全身麻酔に関して麻酔科の専門医が説明に来られた。
まず、どんな風に麻酔をはじめるのか。麻酔をする前にする準備。
そして、麻酔による影響など。

この説明でインパクトあったのは麻酔による影響の部分。
最悪の場合が列挙されるのだ。
聞いてるうちにそれが自分に当てはまるのではないかと思うぐらいだ。
しかし、それは最悪の場合の多数のなかの一例である。
この説明で同じように明日、足の手術を控えたおばさんが怯えてしまった。
急に手術をやめると言いはじめ、お嫁さんがなだめだす。
 …たしかに躊躇うほどの内容。
 でも手術しなければ治らない。先生達を信用して任せるのみ…
『私も同じ日に全身麻酔で手術を受けるんですよ。
おばちゃんも手術したら好きな旅行に行けるんやし、
お互い頑張って手術して早く治しましょうね。
悪くなるための手術じゃなくて、良くなるための手術だから。』
と自分に言い聞かせる言葉で励ますしかできない。
でもおばさんは同じ手術を受ける人がいると思う事で少し安心してくれたらしい。
不安そうだったが手術を承諾してくれてようだった。

夕方、Na先生の手術についての説明があった。
その時渡されたのが全記事の写真の承諾書。

それには骨折名が記載されていた。
『左肘頭開放性粉砕骨折』
Na先生が、この骨折が今どんな状態であるかをホワイトボードにイラストで説明。
●肘頭が衝撃でぎざぎざ状態で折れ、さらに可動域内でも粉砕した細かな骨が散らばっている。
●それが関節の可動部分のため、曲面が滑らかに戻らなければ肘が動かせない。
●手術ではワイヤとポルトで骨を固定する。
●ワイヤなど骨の手術では全身麻酔をする。
で、この時、同席していた両親に親族で麻酔で問題を起こしたことがあるかと尋ねられ、
これに対して母は…『そんな麻酔をするような怪我をした者がいないのでわかりません』
と、真剣に答え、それが何故か先生を苦笑させ、『そりゃ…そうですよね』
  とこの後、実は従姉妹が交通事故で
  大腿骨折の大手術をしていたのを思い出したのである。
  母はよほど動転していたのだろう…
  ごめんなさい…そんな心配ばかりかけて…
さらにイラストに説明が加わる。
●骨折部分のすぐ横に小指の神経が通っているため、手術後に影響が出る確率がある。
●粉砕した骨はひとつひとつパズルのピースを埋めるようにもとの位置に戻す。
●その時にパーツが見つからない場合、自家骨(自分の腰骨)を使う。
●この外科手術で金属を使うため感染症になる確率がある。
この説明の時、先生はこの感染症について何故かとさらに細かく説明。
●金属は免疫能力を全くないため、細菌が繁殖しやすい。(人間は細菌に対して免疫能力がある)
これを外科医の仕業とNa先生がおっしゃってたことだった。(ようやく理解!)
約30分以上にわたる説明に納得し、承諾書にサインをして、
手術へ向けて調整するだけとなった。


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コメント 7

SerowGOGOGO

オバちゃんへの言葉は素晴らしいです
周りが言ってもダメでしょうから・・・
同じ境遇のバクさんだから説得できたのかも・・・えらい!
by SerowGOGOGO (2007-08-17 00:01) 

魔太郎

おばちゃんへのフォローが男らしくて素敵!
by 魔太郎 (2007-08-17 03:06) 

HIRO

こんにちは。
麻酔も偶に医療事故とかがあるから事前説明も...
同じ境遇の方の言葉が一番説得力があると思います。

昔、バイク事故で、フルヘル被ってて、傷も痛みも無かったけど、念の為、大きな病院で頭のレントゲン?を撮った後、「1年先か10年先かに後遺症が出るかも...」って、センセの口頭の説明と説明を書かれた紙を貰った事が(笑)
by HIRO (2007-08-17 04:08) 

セローおじさん

私も先生に言われましたよ、『術後 血栓が出来るとそれが体中を回り、脳や心臓の血管に詰まると 運の悪い人は死んでしまいます、確率は低いけどそれがオペのリスクです 同意書にサインを.........』
ちょっとビビったけど...........運の悪い人にならずに済みました(^^);
by セローおじさん (2007-08-17 06:45) 

pitts

摩太郎さんの
>男らしくて素敵!
に、思わず笑ってしまいました(^^;

金属は免疫能力を全くないため、細菌が繁殖しやすいってのは知りませんでした。なるほどー。
by pitts (2007-08-17 09:05) 

カズ−

私もつい最近の人間ドッグで胃カメラ飲む時に同意書
書かされました。
その日に限って下手な医者で、喉に傷をつけたようで、
何日か風邪の症状とは明らかに違う喉の痛みを感じ
ました。
同意書って、怖いですよね。
by カズ− (2007-08-17 15:33) 

さふぁいあ

こんばんは~。
私も8年前に、大腿骨骨折で、全身麻酔で手術しました。
ボルトが入ったまま、
折ってから4ヶ月後には、
ツーリング行ってました。

........そんな細かい同意書の記憶ありませんけど........。
ボルトは「記念に」..........と、母親に1本取られました(笑)。
by さふぁいあ (2007-08-17 20:58) 

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